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いまの小中高生ってなにを考えてるの?ティーン向け雑誌からいまの時代を読み解く!

10/11/2014

 

この記事を執筆している僕は、大学院生修士2年目の23歳だ。同級生たちのほとんどは、社会人2年目を頑張っている。小学生から見れば、もう立派な「おじさん」の年齢といえる。

 

まだ学生時代を謳歌している僕は、かろうじて学部生たちとは接点があるので、彼らがどんなことを考え、どんなことに興味を持って生きているかは想像できる。

しかし、いまの小中高生がどんな風に暮らしているかは、まったく分からない。

 

僕が小学校低学年の頃は「ポケットモンスター」が全盛期だったし、中学生の頃はダボダボのトレーナーにジーンズという「B系ファッション」が流行り、高校生の頃は「mixi」や「前略プロフィール」など、SNS流行の兆しが見られた。

 

では、いまの小中高生の間では、どのようなものがブームなのだろうか?

 

というわけで、本記事では小中高生世代の女子をターゲットにしたファッション誌や漫画雑誌から、彼女たちの「文化」を読み解いていく。

 

今回取り上げる雑誌は、「ニコプチ」「ピチレモン」「Seventeen」の3誌だ。

しかし、前提として、雑誌から文化を読み解くというのは、ある程度限界があることは付記しておきたい。

 

なお、「女子向け」に限定する理由は、決して僕がロリコン趣味だからではない。

小中高生男子向けの総合カルチャー誌というものがほとんどないのだから、仕方ないのだ。

 

 

小学生向け「ニコプチ」を読み解く!

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まず、小学生向け雑誌では、新潮社が出版している「ニコプチ」の12月号を取りあげる。

ニコプチは、Wikipediaによると「小学生向けのファッション誌として、中学生向けファッション誌『nicola』の姉妹誌として創刊された」。さらに、同誌の目標は「日本のJS(女子小学生)文化を世界に発信すること」だという。

 

本誌を一読した感想は、「いまの小学生ってこんなんなの!?」という驚きだ。

バッチリメイクしたJSモデルが着ている洋服は、CanCamモデルのそれとほとんど変わらない。秋冬コーデの4大人気スタイルは「スクールガール」「ストリートカジュアル」「ウィンターパステル」「ミリタリーMIX」らしい。いや、君たち現役のスクールガールじゃないか。また、「学校だって流行アイテムを上手に取り入れるのがJSのジョーシキ」であり、通学服の定番は「ガーリー」と「クール」だという。

 

もちろん本誌は「女子向けファッション誌」なので、ファッションネタを取りあげるのは当然だが、どうしても「背伸びしすぎ」感が否めない。

僕たち大人からすれば、JSたちの可愛さは「子どもらしさ」にあると考える。しかし、彼女たちの求める「カワイイ」は、どうやら同年代の男子から見られたときの「カワイイ」のようなのだ。そこに、違和感の正体があるのだろう。

 

それを象徴するのが、「女子力チェック」というコーナーだ。同コーナーでは、女子力の高い「キラキラ©」と、女子力が低い「ヒモノ©」の典型的な行動を紹介している。キラキラ©になるには、学校のおそうじでも「イスの足のウラもきちんとふく」ことが求められる。足で雑巾ぶきをするJSはヒモノ©と呼ばれてしまうのだ。いまの時代、小学生でも女子力を高めていかなければ、愛されモテJSにはなれないのである。

 

ところで、先日放送されたNHK総合「エデュカチオ!」の特集「イマドキの子どもの恋愛事情」によると、いま子どもたちの間で「つきあう」ことがブームになっているという。そのきっかけになったのがまさしくニコプチらしく、同誌の副編集長によると「4~5年前から、男の子と遊ぶテーマで読み物ページを作り始めた」そうだ。

 

恋愛の低年齢化?小中学生の間で「つきあう」ことがブームになっている! – IRORIO(イロリオ)

 

上記の記事ではさらに、「(つきあうことが)ステータスになっている」ことが指摘されている。ニコプチの「背伸びしすぎ」感は、露骨なヒエラルキーがある小学生社会のなかで、JSが交際ステータスを得るためのマニュアルとしての役割を果たしているからなのかもしれない。まるで、未婚で世間体を気にするアラサー女子のような悩みである。

 

ところで、ニコプチのアンケートによると、小学生のスマートフォン所持率は30%だそう。使い方は、やはりLINEなどのグループチャットや写真機能の需要が多いようだ。

そこで、子ども向けに機能を制限したスマートフォン「Fairisia」や、動画サービス「Vine」のような「おもしろ6秒ループ動画」が撮れる「マジカルシックス」などが発売されている。

 

 

中学生向け「ピチレモン」を読み解く!

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中学生向け雑誌では、GAKKENが出版している「ピチレモン」の12月号を取りあげる。

Wikipediaによると、読者対象は「女子小中学生」で、キャッチフレーズは「女の子が最初に手にする女性誌」だ。人気子役だった「まいんちゃん」が、モデルとして活躍していることでも有名である。

 

同誌によると、JCのメッカは、竹下通りにある「SoLaDo竹下通り」というショッピングセンターらしい。ローティーン向けのファッションブランドやスイーツの専門店が揃った商業施設のようだ。

 

ピチレモンはアンケートが豊富で、中学生の流行をつかみやすかった。

 

モデルを対象にしたアンケートによると、「ちょい食べスイーツ」の人気1位は「フリスク」で、「コンビニおやつ」の人気1位は「ハリボー」、2位は「おしゃぶり昆布 浜風」、「よくいくカフェ」の1位は「スタバ」だという。僕が中学生の頃は、駄菓子屋でよくわからないお菓子やジュースを食べるのが当たり前だったので、その大人びた味覚に驚きを隠せない。好きなミュージシャンは、「モーニング娘’14」や「西野カナ」の人気が健在で、「ゲスの極み乙女。」や「androp」などのバンドサウンドも注目を集めているようだ。

 

人気の文房具では、ペン部門では「クルトガ」が人気らしい。僕らの世代はおなじみの「ドクターグリップ」も3位で健在だった。また、「デコラッシュ」というデコレーションテープのアイテムも人気のようで、カワイイモノ好きの女の子が集めるステーショナリーグッズは、年々進化している。

 

興味深いのは、読者300人を対象に実施したスマホ事情とSNS事情のアンケート調査の結果だ。いわゆるデジタルネイティブは、どのようにIT機器やサービスを利用しているのだろうか。

気になるJCのスマホ所有率は、ピチレモンのアンケートによると、スマホが48%、タブレットが16%、ガラケーが15%、その他が7%だという。JSに比べてスマホの普及率がグッとあがったので、「ケータイアイテム」についての記事も見受けられた。意外にタブレットが多いのは、親が購入したものの使わなくなった端末を譲り受けたからではないだろうか。また、スマホとガラケーを合わせても63%と、女子の携帯の所有率は、僕が中学生だった頃とそんなに変わらないように感じる。

一方SNSでは、Twitterが57%、Facebookが18%、GREEが14%、mixiが7%、instagramが7%だという。僕の同世代から考えると、意外にGREEの利用率が高い印象だ。ソーシャルゲームは中学生に根強い人気があるようだ。

 

ピチレモンを読んでわかるのは、JC世代がすでにマーケットとして確立しているという現状だ。「イマドキ、じょーしき★”安カワ♡ネット通販”をマスターしよー!」というコーナーでは、ネット通販が「JCの間で話題」と指摘している。自分のクレジットカードさえ持てない中学生がネット通販にハマるというのは、なんとも親が気の毒になる話だ。

 

また、ニコプチと同様に、やはり女子力特集に5ページほど紙面が割かれていた。「女子力診断」からの、「女子力UPテクニック紹介」という流れだ。

JS・JCともに空前の女子力ブームである。

 

 

高校生向け「Seventeen」を読み解く!

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高校生向け雑誌では、集英社が出版している「Seventeen」の12月号を取りあげる。

Wikipediaによると読者対象は「女子中高生、10代女性」ということだが、17歳の高校生あたりをターゲットにしていると考えて差し支えないだろう。

 

JS・JCともに「女子力特集」が続いたが、Seventeenでは「女子の誤ジョーシキ」というコーナーが、同様の「女子力啓蒙」的な役割を担っている。いわく、「美しく品のよいレディになるため、日々知識をたくわえているST読者のみなさま、ちょっと待った!」とのことである。いまの女の子たちが身に付けるべきは、とにかく「女子力」らしい。

 

また、モ論調査という、モデルに対するアンケート調査では、11月3日の「文化の日」にちなんで、「海外文化と日本文化のどちらが好きか」という設問だった。結果は、日本文化が62%で海外文化を圧倒。「和食が好き」「和服や日本の小物が好き」などの理由が大半を占めた。

最近では、テレビ番組やWebのニュースなどで、「自国を称賛する」風潮があるという指摘がある。先日も、東京国際映画祭の「ニッポンは、 世界中から尊敬されている映画監督の出身国だった。お忘れなく」というキャッチコピーが物議をかもした。

 
日本の“自国を称賛する”風潮–外の目を気にする検索ワード – CNET Japan
東京国際映画祭の広告コピーが物議 映画人から不満続々「最低だ」「恥ずかしい」 : J-CASTニュース

 

このような風潮が「日本を誉めて症候群」であるという批判もあるが、いまのJKたちは、シンプルに自国の文化を愛しているのではないだろうか。それは素晴らしいことだと思う。

 

いかにもJK向けな特集だったのは、「脈アリ!? or 脈ナシ!? 男子のリプ仕分け」というコーナーだ。LINEやTwitterがきっかけで恋愛が発展したことのあるJKは78%で、もはや「メール」の時代ではないことがわかる。脈ナシのパターンには「既読無視」や「未読無視」など、LINEならではの内容が見られた。

興味深いのは、「LINEの会話が途切れてるのに、Twitterで絡んでくるのはなんで?」という質問に、男子高校生が「Twitterだと絡みやすい!」と答えている点だ。Twitterだと会話を切るタイミングで悩まないからだという。連絡手段が多様化し、メディア特性を生かしたコミュニケーションが行われていることを如実に物語るエピソードだ。

 

ところで、同誌で一番おもしろかったのは「男子の生態アンケート」だ。男性誌を対象にしなかったが、Seventeenのおかげで男子高校生のリアルな現状が分かった。

各ジャンルで最も好きなものを挙げる「俺たちのBEST」という設問では、アーティストが「EXILE」、女性有名人が「石原さとみ」、TV番組が「アメトーーク!」と、ここまでは納得の結果だったが、なんと好きな小説が「恋空」だった。同誌によると、「5年以上にわたって男女ともに1位に輝き続ける、安定の『恋空』」だという。

携帯小説を対象にした現代批評は数多くあり、ライターの速水健朗さんは2008年に「ケータイ小説的。――“再ヤンキー化”時代の少女たち」という本を著している。

昨今では「マイルドヤンキー」という言葉が流行ったが、6年経ったいまでも「ヤンキー文化」が持続しているのは興味深い。

 

いままで女性を対象にしていたアンケートとは比較できないが、男子高校生のTwitter利用は相当頻繁なようで、1日のツイート数は平均21回らしい。LINEよりもTwitterの利用者のほうが多いという。最近の高校生は、LINEのようなクローズドなコミュニティではなく、Twitterという開かれたSNSでコミュニケーションをとる傾向が強いようだ。

 

しかし、これ以外の設問では総じて僕が高校生だった頃の実感と変わらない。男子は女子よりも変化の乏しい生き物なのかもしれない。

 

 

 

おわりに

 

小中学生は、ある程度文化的な均質性があるものの、高校生ともなると、読んでいる雑誌や興味関心も多様になっていく。例えば、みんながみんな「Seventeen」を読んでいるわけではない。

しかしそれでも、ある程度いまの小中高生がどんなことを考えているかが見えてきたのではないだろうか。

 

僕としては、ほんの数年でここまで流行が変わるのかという驚きがあった。

やはり、SNSとスマートフォンの普及が、時代のチェンジメーカーだったのかもしれない。

 

なにより、デキ女やイケ女という言葉の多さと、空前の女子力ブームに驚いた。

一体彼女たちは、誰の目を気にしているのだろうか。対象が男性なのかも定かではない。

いまの時代、ひとりでも生きていけるような「デキる女」にならなければいけない、というメッセージとも考えられる。

 

ともかく、時代の変化を最も敏感に嗅ぎとり、それを貪欲に取りこんでいくのは、いつだって若者である。

 

仕事に追われて時代に取り残されそうになったときは、ときどき小中高生向けの総合カルチャー誌に目を通してみるのもいいかもしれない。

そしてそれらの雑誌から感じ取ることのできる今の時代とは…さしづめ、「誰からのものか分からない『評価』を気にする時代」といえるかもしれない。

 

 

(ライター:加川)

 

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