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マンガで教養を身につけろ!無料で読める「解説マンガ」5選+α!!【医療編】

31/07/2014

 

幅広い知識を得て教養人になりたいと夢見る読者は少なくないはずだ。教養を身につけるためには、日々の勉強が欠かせないことは言うまでもない。しかし、難解な文献に向き合い、苦しみながら知識を得ていくことだけが勉強だと錯覚してはいないだろうか。

 

本記事ではそんな悪しき風潮を打破するべく、読むだけでわかりやすく、なおかつ楽しみながら知識を得ることのできる夢のようなマンガである「解説マンガ」を取り上げたい。

 

少年少女だった頃、小学校の図書室で学研の『まんが日本の歴史シリーズ』や、マンガで描かれた偉人の伝記などに親しんだ記憶が少なからずあるはずだ。社会科の授業で学習した歴史の内容よりも、当時読んだマンガで得た知識の方が鮮明に脳内に刻まれてはいないだろうか。マンガの力は偉大だ。わかりやすく楽しいだけでなく、記憶にも長く定着する。

 

そして現代社会ではそんな解説マンガの多くを、ネット上で簡単に、しかも無料で読むことができるのだ。

 

 

「医療系解説マンガ」

 

ネット上の解説マンガで特に多く散見されるジャンルの一つに、「医療」が挙げられる。そのなかでも有名な作品が、心療内科「ゆうメンタルクリニック」のサイトにて連載されている『マンガで分かる心療内科』だ。

 

うつ病を始め、パニック障害や統合失調症、不眠症など、心療内科や精神科で扱うテーマがマンガでわかりやすく解説されており、インターネット上で爆発的な人気を獲得。2010年には『ヤングキング』(少年画報社刊)で連載が開始され、2014年7月28日現在、単行本が11巻まで刊行されている。

 

この作品がここまでの人気を得たのは、「重い」とみなされがちなテーマについて、登場人物たちの軽快なやり取りによってギャグ漫画として描ききることに成功しているからだろう。「うつ病」「統合失調症」という症状に敬遠しがちだった人にこそ読んでいただきたい作品だ。

 

自分たちの身体のことや病気のことは、誰もが当事者となり得るテーマである一方で、専門性が高く、きちんとした知識を習得できている人はなかなか少ないだろう。そのためか、多くの医療機関や民間企業、個人などによって、ネット上には無料で読める医療系解説マンガが多数執筆されているのだ。

 

今回はそんな「医療系解説マンガ」にフォーカスを当て、筆者の独断と偏見で厳選したおすすめ5作品を紹介していこう。

 

 

『漫画で解説★ADHD』

 

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『漫画で解説★ADHD』(http://homepage2.nifty.com/ryantairan/ADHD.html)より

 

「ADHD」とは「注意欠陥・多動性障害」のこと。マンガの方向性としては『マンガで分かる心療内科』と同様、登場人物の軽快なやり取りで、楽しくADHDについて知ることができるのが本作品だ。だが、『マンガで分かる心療内科』は、医師が原作を手がけているのに対して、こちらはADHD当事者が自ら描いているという点で大きく異なる。

 

第一話では、作者自身がマンガに対して「ADHDらしい計画性の無さが現れている」と自虐的なコメントもあったりとなかなか味わい深い。こうした当事者視点から語られる作品は貴重だろう。

 

 

『糖尿病がマンガでわかる!』

 

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『糖尿病がマンガでわかる!』(http://tonyobyo-shimin.com/)より

 

「第57回日本糖尿病学会年次学術集会糖尿病啓発プログラム事務局」のサイトにて公開されているのが本作品。全10話。

 

主人公の佐藤健康(43歳)は大学時代の友人らとおやじバンドを結成しており、この日もスタジオで練習をしていたが、メンバーの鈴木が突然心筋梗塞で倒れてしまう。

 

鈴木は一命を取り留めたが、今回の心筋梗塞が糖尿病の合併症であったことが明らかになる。鈴木の糖尿病に対する自覚のなさが原因の一つだったが、それを聞いた健康は鈴木に対して怒りをあらわにする。普段は温厚な健康がそこまで声を荒らげたのには、ある理由があった、というのがあらすじ。

 

本作品は「1型糖尿病」「2型糖尿病」「妊娠糖尿病」と、糖尿病の種類によってそれぞれの当事者と担当医が登場し、多角的な視点から糖尿病について描かれているのが特徴だ。

 

また、マンガを読み進める妨げになるような専門用語が登場したときには、文字をクリックすることでその用語の解説がポップアップで出てくるというUIも配慮が行き届いていてよい。

 

 

『マンガでわかるAGA治療』

 

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『マンガでわかるAGA治療』(http://www.aga-manga.com/)より

 

 

「AGA」とは「androgenetic alopecia」の略称で「男性型脱毛症」を意味する。抜け毛が進行し、薄毛が目立つ状態だ。物語は、薄毛に悩む営業マンの生田が、高校時代の友人・薄井の紹介でAGA治療専門クリニックへの通院を決意し、次第に自信と毛髪を取り戻していくサクセスストーリー。

 

最終話となる第5話「新しい人生の幕開け」のラストシーンでは、第1話冒頭のとある場面の再現が訪れる。それを乗り越えていく主人公・生田の成長ぶりには感涙必至だ。

 

生田の成長を描く「クリニック編」(全5話)の他に、コラム形式で薄毛にまつわる豆知識を紹介する「コラム編」(更新中)が用意されている。「コラム編」では「男性コラム編」と「女性コラム編」があり、それぞれ自分が気になる項目から読み進めていくことができる。

 

 

『出産に際して知っておきたいこと』

 

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『出産に際して知っておきたいこと』(http://www.ncchd.go.jp/hospital/section/perinatal/san-bunben.html#01)より

 

 

マンガとしてのストーリーは一切なく、「かわいらしいイラストによる解説」という趣が強いが、資料としてのクオリティの高さが光るのがこの作品。「独立行政法人国立成育医療研究センター」による制作で、それぞれの項目について1ページでわかりやすく解説されている。

 

ページの左側にマンガが、右側に補足説明がなされており、マンガだけでは説明しきれなかった内容も、誤解を生まないよう補足説明欄でしっかり確認することができる。

 

個人的には当事者である妊婦さん以外にも、男性や、結婚・出産などまだまだ先だと思っている方々にこそ率先して読んでいただき、妊婦さんに対する正しい理解を深めていただきたい。

 

 

『正露丸のひみつ』

 

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『正露丸のひみつ』(http://kids.gakken.co.jp/himitsu/094/index.html)より

 

 

緊張しいですぐにおなかが痛くなってしまい、なかなか自分の力を発揮できないトランペット奏者の小学生・正が、正露丸を通して成長していく姿を描く。同じトランペット吹きで、正のライバルとなるロシア人ハーフの転校生・ユーリ、ラッパの妖精・セイろん、「正露丸は危険な薬だ」と主人公たちの前に立ちふさがるヒロインの母親など、個性豊かなキャラクターたちが勢ぞろい。

 

小学生向けに作られているが、正露丸だけに主人公がトランペット奏者だったり、ライバル転校生がロシア人ハーフだったりといった設定に作者の気合いを感じる。最後は「正露丸のおかげで変われた!」的な進◯ゼミのDMマンガを彷彿とさせる結末だが、130ページという特大ボリュームで正露丸の知識は確実に得られるだろう。

 

まんがひみつ文庫」というサイトで読むことができる本作は、学研の『まんがでよくわかるシリーズ』の一つで、「正露丸」以外にも『テレビ放送のひみつ』『仏教のひみつ』『ファスナーのひみつ』などが全編閲覧可能だ。

 

一つだけ苦言を呈するとすれば、ビューワーが非常に見にくい。閲覧できるスペースが狭いし、操作方法もよくわからない。内容が素晴らしいだけに残念だ。改善を求む。

 

 

 おわりに

 

いかがだっただろうか。本記事の執筆あたって、私はさまざまな解説マンガを読破したが、見違えるほどの教養を手にすることができた(気がする)。読者諸君も私の後に続き、ぜひ多くの解説マンガを読破することで、お金をかけずに楽しみながら教養を身につけていってほしい。

 

また、今回は医療関係のマンガに限ってお送りしたが、プログラミングやウェブデザインなどIT関連や、ビジネスマナー、政治・経済などさまざまなジャンルの解説マンガが、この広大なネット空間には存在している。いずれ機会があればそれらについてもご紹介していこう。

 

 

(本文・倉住亮多)

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