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久しぶりに新聞を開いてみたら、「これってありなの?」な広告を見てしまった話

06/08/2014

 

湯浅です。新聞は「紙」ではなく、主にツイッターのタイムラインに流れてくるものを読んでいます。フィルターバブルにまみれていると言われてしまいそうです、はい。追記すると、新聞以外に読もうと思っているブログやオンラインメディアの記事などがブラウザのタブで50個ほど溜まっていますが、あいも変わらず平常運転です。




そんなデジタル人間な僕ですが、先週末、埼玉県に住んでいる祖母を訪ねた際、『読売新聞』がおいてあったのでふと手にとってみたところ、偶然見つけた全面広告に思わずびっくりしてしまいました。

それは、2014年8月3日(日)12版P26にありました。

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僕はこれを見て、「大変だなぁ」と「残念だなぁ」のふたつの思いに駆られました。この思いを説明するために、今回は新聞広告に触れたいと思います。

まず最初は「大変だなぁ」と思った理由について広告費の観点から見て行きたいと思います。次に「残念だなぁ」と思った理由について広告倫理の問題から見ていきます。




うわっ…私の新聞広告料金、高過ぎ…?

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出典:ぱくたそ



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※各新聞社広告シミュレータで試算(注1)。朝刊。広告掲載1回限り。15段(全面広告)。消費税は含まず。料金は目安。

※産経新聞は記事下広告料金表(注2)より同じ条件で試算。

 

たとえば、読売新聞の場合、全国版の朝刊における販売部数は9,700,941部(注3)。上記した47,910,000円を部数でわると、1部あたり4.94円になります。全面広告で見ると、非常に高額な印象を抱きました。しかし、部数あたりで見ると、妥当な金額といえるのではないでしょうか。ちなみに、こちらのサイトにはさまざまな広告掲載料金がまとめてあります。すべてを同じように比較することはできないですが、漠然と「広告料金ってこのぐらいするのか」という気持ちでご覧いただければと思います。


「大変だなぁ」と思わざるを得ない現状〜新聞広告の衰退とインターネット広告の成長〜

 

上のグラフからおわかりいただけるように、新聞広告は2000年以降、衰退の一途をたどっていて、ここ5年ほどは横ばいです。


さらに、上のグラフからは、日本人の新聞接触時間が年々減っていることもおわかりいただけるかと思います。新聞広告の衰退の最たる理由はここにあるといっても過言ではないでしょう。さらに、近年のインターネット広告の成長により、2009年には新聞広告を越えている。ちなみに、2013年の日本の総広告費は前年比101.4%で、ほぼほぼ横ばいですが、2年連続の増加です。これは、TVスポット、屋外、交通、POP、展示イベントの好調によるものとされています。(注4)


あれ、ルールありましたよね?〜新聞広告倫理綱領〜

 

「日本新聞協会の会員新聞社は新聞広告の社会的使命を認識して、常に倫理の向上に努め、読者の信頼にこたえなければならない。」という目的の下、新聞広告倫理綱領は制定されました。


新聞広告倫理綱領/新聞広告掲載基準(日本新聞協会)


制定の趣旨に以下の3つが書かれているが、今回の広告はどうでしょう。

主観ではあるが、以下のような疑問があがってもおかしくないのではないだろうか。

✓新聞広告は、真実を伝えるものでなければならない。

✓新聞広告は、紙面の品位を損なうものであってはならない。

✓新聞広告は、関係諸法規に違反するものであってはならない。


今回の広告は、真偽が科学的に証明されているとはいえないスピリチュアルなものです。そのため、真実を伝えるという項目を満たしていないのではないかと考えました。2番目にある品位に関しての解釈は非常に難しいですが、このような商材を流布することは品位に欠けるのではないでしょうか。関係諸法規の観点からだと虚偽、若しくは誇大な広告を行い、実際の内容より著しく優良叉は有利と誤認させる可能性があり、これは「ぎまん的顧客誘因行為の禁止(一般指定8項)」(注5)にあたるのではないでしょうか。(法律に関してはかなり不安なので、ご意見いただけると幸いです。)


さらに、下記の新聞広告掲載基準に触れているのではないかと考えました。

✓内容が不明確なもの。

✓虚偽または誤認されるおそれがあるもの。

✓非科学的または迷信に類するもので、読者を迷わせたり、不安を与えるおそれがあるもの。

✓詐欺的なもの、または、いわゆる不良商法とみなされるもの。

など


まとめ

 この手の広告は読売新聞だけでなく、他紙にもあるし、今更何言ってんだ感はありますが、久しぶりにこういう現状を見ると、やはり虚しいですね。最初に書いた「大変だなぁ」というのは、「新聞広告が高額である」「新聞広告の衰退」ふたつの状況です。新聞広告は厳しい中にありながら、昨今よく言われているシニア向けメディアとして新聞が特化したマーケティングの方向性になっていくのか。包括的な今後の新聞広告のあり方は逆説的に興味深いものでもあります。


 また「残念だなぁ」というのは、今回の広告の内容です。これまでは雑誌の広告にあったようなスピリチュアルなブレスレット広告。これが「世界一」の販売部数を誇るはず読売新聞の全面広告として掲載されているのはため息モノでした。尚且つ、新聞広告の全面広告はある種のブランド性の役割があったはずです。それにもかかわらず、このようなスピリチュアル広告が掲載されていると、ブランド性なんて微塵も感じられませんし、新聞にあったブランド性を損なってしまうのではないのでしょうか。今回の広告に限らず、各紙でこのような広告が見られる可能性は低くないでしょう。その場合、しっかりと晒して対処していき、ブランド性を保ちながら、新聞広告倫理綱領を改めて順守すべきということを心がける必要があるのではないでしょうか。


参考URL

注1

読売新聞広告料金シミュレータ

朝日新聞広告料金シミュレータ

毎日新聞広告料金シミュレータ

日経新聞広告料金シミュレータ

注2

産経新聞広告料金

注3

全国紙販売部数(読売新聞広告ガイド)

注4

電通『2013年 日本の広告』(PDF)

注5

広告・表示にまつわる法律・ルールとは?(リーガルブレスD法律事務所)

(アイキャッチ:Naverまとめ)

(ライター・ユアサ)


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