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【ネタバレ有】TOKYO TRIBEを見てきたよ

03/09/2014

湯浅です。KINEZOというオンラインチケットサービスはクレジット支払いにすべきですね。見事に遅刻して、深夜回で見ることになるとは思わなかった…(不覚)


そんな凡ミスはどうでもよいですね。映画「TOKYO TRIBE」を新宿バルト9で見てきました。


あらすじはこちら。

漫画家・井上三太の代表作として知られ、アニメ化もされた「TOKYO TRIBE2」を、「ヒミズ」「地獄でなぜ悪い」の鬼才・園子温監督が実写映画化。さまざまなトライブ(族)に属する若者たちが、暴力で街を支配し、縄張りを競い合っている近未来のトーキョーを舞台に、「ブクロWU-RONZ」のヘッドに君臨するメラと、「ムサシノSARU」に所属する海(カイ)の2人を中心に巻き起こる一大抗争を描き出す。メラには「HK 変態仮面」の鈴木亮平、海にはYouTubeで開催されたオーディションで抜てきされたラッパーのYOUNG DAISが扮した。共演には清野菜名、佐藤隆太、染谷将太、でんでん、窪塚洋介ら豪華キャストがこぞって出演している。(以上、映画.comより)


本作を見に行こうと思った理由がいくつかあります。ひとつはアニメ版「TOKYO TRIBEを以前見ていて面白さを感じたこと。それを園子温が監督する実写映画とはどうなることやという好奇心。さらに、多数の日本語ラップアーティストが出演している本作は日本語ラップファンとして見逃せない!という理由から劇場に足を運びました。


アニメ版の感想を簡単に述べておくと、全体的に面白さがあるものの、細かいストーリーの流れでもの足りなさを感じたり、やや雑な脚本だったので、もうちょっとここ掘って欲しいというところが多々ありました。その微細なダメなところを綺麗にしたものを映画に期待していました。

ただ、予告編を見たとき、これはグラインドハウス的だなと思いました。グラインドハウスとは、エクスプロイテーション映画やB級映画などを2、3本立てで上映していたアメリカの映画館を表します。つまりは、エロとバイオレンスが混ざったB級映画です。本作に対してもB級映画の印象を抱いてしまったため、アニメ版の修正への期待はこの時点でかなり薄れてしまいました。


さて、ここからはネタバレも含みます。


全体的な感想はこのツイートに



これを前提として、様々な角度から細かいツッコミを。


ラッパーってやっぱりラップうまいということを認識

だれでもできるのがラップということを良く言われるのですが、本作でまざまざと見せつけられたのは、「俳優のほとんどがラップをするセンスがないこと。さらに、ラップをする上での微妙な音痴さが、実はラップでは歌唱するより目立つのではないかということでした。その中でも、EGO、練馬ザファッカー、卍LINEこと窪塚洋介はかなりセリフっぽいリリックであるという条件下ではあったものの、ラップの仕方がセリフっぽくない、つまり映画のセリフとビートにうまく調和できていたのではないでしょうか。


上記した条件下だったため、少し残念に感じたのがMEGA-GとMC漢。ふたりはいつもどおりの調子でラップをしても、映画でうまいこと「ハマった」ストーリーテリングできたんじゃないかと思いました。WARUのSIMONとANARCHYももっとうまいこと出来たはずなのに、なんだか残念な印象。


染谷将太は最近日本語ラップアーティストのTHE OTOGIBANASHI’Sと交友していることを耳にしていたので、さぞかしカマしてくれるのかなぁと思いましたが、本当に良きダメラップの見本にしか聞こえませんでした。英語のフローを無理に英語の発音っぽくしようとするあたりが全然ハマっていませんでした。


あとアニメ版では横浜にもトライブがあったのですが、本作にはありませんでしたね。でも、OZROSAURUSやサイプレス上野とロベルト吉野、相模原のSDPなどなど多彩なアーティストがいます。また、神奈川祭と呼ばれる神奈川のラッパーが集結した日本語ラップフェスもある非常に熱い空間です。なので、個人的な希望としては、本当はトライブに入れて欲しかったです。


さらに、ブクロWU-RONZのメンバーには、池袋BEDというクラブでよくライブやDJをしているアーティストを入れて、池袋色が欲しかった!(悔)。という日本語ラップファンとしての「こうして欲しかった」という希望がいくつかありました。


最後に、本作出演のラッパーがNAVERまとめに比較的まとめられていたので、そちらを。

映画TOKYO TRIBE出演ラッパー!




個人的に好きだった俳優や演技

主演YOUNG DAIS(海)と石井勇気(ハシーム)は配役も適切かつ、良い演技でした。竹内力(ブッバ)は怪演と呼ぶに相応しい演技。窪塚洋介はわかっていたけど、あの軽率な感じ(褒めです!)がいいんですよね。けど、あんまり強さが見られなかったのはすごく残念。


ブッバに仕える召使い役の人たちはサブでありながらも、個性を感じることができました。

 

 

あと個人的にお気に入りだったのは、ジャダキンスの通訳として登場するも華麗なるアクションをみせた亀吉役の丞威です。魅力的だし、ホントいい動きでした。


スンミ役の清野菜名も体張って頑張っていたとは思いました。どうでもいいですが、劇中ずっと吉瀬美智子と非常に似ているなと思っていました。

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(【出典】左:清野菜名、右:吉瀬美智子)


ここから不満を…


多数の俳優の存在意義

はっきり言って、しょこたんこと中川翔子(ケシャ)は登場した意味が全然理解できませんでした。また、アニメ版は非常に重要な役回りであったスカンク(松浦新)、書記長あたりはいなくても成立したんじゃないかと。あと、巌役の大東俊介は大東俊介じゃなくてもよかったというか、もったいないことないか…と思いました。

用心棒(高山善廣)ももっと活躍してよかった。少なくとももっとヨン(坂口茉琴)を困らせるぐらいのパワーを見せて欲しかったです。

染谷将太演じるMC SHOWも終始案内役に徹すればいいのに、最後ちゃっかり乱闘にも参加しているし。なにその立ち位置っていう。


男の技量は心のでかさ←でも、海はテラさんをほったらかしじゃない?

本作でも、テラさん(佐藤隆太)は刺されることは変わらなかったようですね。しかし、刺された後のテラさんをほったらかし過ぎじゃないかと。アニメ版もここは少し違和感を抱きました。アニメ版の違和感というのは、テラさんという大切な人を失った割には、立ち直りは早いし、殺めたメラとそんな簡単に協力できるのという疑問でした。結果、このシーンからは男の技量は心のでかさが微塵も感じられないんですよね。あとは、少なくとも僕は海のLOVE&PEACEが全く見られませんでした。


雑な脚本。色々と突然過ぎ

ストーリーをストーリーとして成立させるつもりがないと感じるしかないんですよね。いや、もう全体的に。なので、脚本のどこがどうとかいちいち言ってられないです。東京中のトライブが結びつくシーンも突然。ブッバも呆気無く死んでしまうし。そもそも、メラが海に嫉妬する理由が息子の長さって… 

あと、地震シーンを入れたのも脈略ないし。あんな独立させていいんですかね。というか、なんなんでしょう、あのシーンは。監督がなにかに固執しているように思えます。固執してもいいかもしれませんが、本作に地震シーンを見る違和感たるや。

と、雑多かつ色々と不満もありました。いや、むしろ不満が多かったです。

HipHopが好きなだからこそ、HipHopを雑多に扱ってほしくないという思いが強いため、不満と怒りが本作への好意より優っています。しかし、これは極私的なものなので、他の方はそんなに不満言わなくてもと思われるかもしれません。もちろん、本作のラップ監修には多くの日本語ラップアーティストが携わっていることも確かです。が、それにしては本作のラップの扱い微妙じゃない?って思ってしまいました。(前述したように、本作に合ってる!というアーティストもいたので、本作全体のラップ監修を全否定するつもりは毛頭ございません。)


町山さんの園子温のお伊達っぷりは流石にどうかと思う

TBSラジオのたまむすびで町山智浩さんが少し前に本作を紹介していました。

まずはそちらをお聞き下さい。

これを聞く限り、相当おだてているようにしか聞こえないんですよね。


町山さんの評論、本当に好きです。映画を見たら宇多丸さんと町山さんのレビューをまず検索することを僕はよくやっています。町山さんが好きだからこそ、おだてるだけでなく批評してほしんですよね。僕の中に批評=批判な考えが少しは含まれてしまっていますが、指摘するべきじゃないかと僕は思いました。(あ、某元アナが某氏に指摘されたことしている、自分…)←ひとりごと


と、かなり雑多に色々とぶちまけてしまいましたが、最初のツイートの通り、本作が嫌いにはなれない僕がいます。なんなんでしょうか、この気持ち。日本語ラップが好き過ぎるから、本作も嫌いになれない!という感じなんでしょうか。エロ要素があるからなんでしょうか。自分でもよくわかっていません。そんな不思議な思いを抱く映画です。ご興味湧きましたら、劇場へ足を運んでみてください。


関連URL

鈴木亮平×YOUNG DAISインタビュー



 

(アイキャッチ:映画「TOKYO TRIBE」サイトより)

(ライター:ユアサ)

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