アイキャッチ&②

ボカロ好き必見!音楽のつながりをバブルで可視化する近未来サービス「Songrium」がカッコイイ

18/08/2014

 

皆さん、ボカロ楽曲は好きですか?

 

前回、gotamagで音楽情報処理学会(SIGMUS)の記事を書きました。

音楽✕情報処理―音楽情報科学研究会SIGMUSが切り拓く未来とは? | gotamag

 

上記の記事にも登場する研究者の後藤真考さんは、実は「OngaCREST」という研究プロジェクトの代表でもあります。

 

OngaCRESTのテーマは、「コンテンツ共生社会のための類似度を可知化する情報環境の実現」(同プロジェクト公式ホームページより)。

日々膨大な音楽コンテンツが生み出される状況のなかでは、この「類似度」の可視化がとても重要です。曲の「類似度」や「ありがち度」がわかれば、クリエイターが意図せず「パクリ」と糾弾されることを回避したり、リスナーが自分の好きな曲と似た楽曲を知らべたりするのに役立ちます。

 

OngaCREST概要(出展:OngaCREST公式ホームページ)

OngaCREST概要(出展:OngaCREST公式ホームページ)

 

つまりこの研究プロジェクトは、平たく言えば「テクノロジーで音楽コンテンツ同士の関係性を可視化しよう」ということです。

同プロジェクトでは、研究成果としてそのコンセプトを実現したWebサービスを公開しています。

 

それが、多様な関係性に基づく音楽視聴支援サービス「Songrium」です!

 

本記事では、この見た目にも楽しい近未来的な音楽サービスを詳しく紹介していきます。

 

 

Songriumとは?

 

Songriumは、「ニコニコ動画」や「YouTube」などの動画共有サービス上にある音楽コンテンツ同士の関係性を、星座のようにバブルプロットで可視化するサービスです。

 

いまいち想像しにくいかもしれませんが、まずは同サービスのトップページをご覧ください。

 

Songriumトップページ

Songriumトップページ

 

「星座のように」という表現が、なんとなくイメージできたのではないでしょうか?

 

同サービスのコンセプトは、「つながりを意識しながら、今まで見逃していたコンテンツを発掘してみませんか?」。

例えばニコニコ動画におけるボカロ楽曲は、その原曲から派生した「歌ってみた」や「踊ってみた」などの動画作品が多数投稿されますよね?

それらの関係を可視化することによって、どんどん新しい動画や作品を知れるのが、このサービスの魅力です。

 

同サービスは、主に以下の3つの機能を備えています。

 

  1. 音楽星図
  2. バブルプレーヤ
  3. 歌声分析

 

ではまず、同サービスのメイン機能、「音楽星図」からご紹介します。

 

 

音楽星図

 

音楽星図」は、音楽コンテンツをまるで宇宙に存在する無数の星のように表示する機能です。

 

音楽星図トップページ

音楽星図トップページ

 

上記の画像のなかにある無数のバブルは、個別の楽曲を示しています。実はこれ、楽曲の曲調を自動的に解析して、似た雰囲気の曲同士が近くになるように配置されているのです。また、人気のある曲ほど大きなバブルで表示されています。視覚的に分かりやすいデザインですね。

 

さらに、曲を示すバブルをクリックすると、自動的にその曲が画面右上に配置されたニコニコ動画のプレイヤー上で再生されます。(特にログインなどは不要)

 

また、ブラウザ上の表示画面がそのバブルを中心とした画面に切り替わり、当該曲が恒星、そしてその曲から派生した作品が恒星の周りをまわる惑星として表現されます。

ええい!実際に画面を見た方が絶対分かりやすい!

 

初音ミクの代表曲「メルト」を選択した画面

初音ミクの代表曲「メルト」を選択した画面

 

派生動画は「歌ってみた」「MMD(ミクミクダンス)」などにカテゴリ分けされており、バブルの色で見分けられるようになっています。もちろん、この惑星をクリックすることで当該動画が再生されます。

 

また、「この曲のボカロPの次回作」など、関連する楽曲をユーザーが矢印タグで自由に登録・共有することも可能。たまに「驚異的な中毒性」とかいう独断と偏見に基づいた矢印タグもあったりして面白いです。

 

 

つまり、お気に入りの惑星(楽曲)の周りにある恒星(派生動画)にジャンプしたり、矢印を辿って惑星(楽曲)をワープしたりすることで、まるで宇宙を飛び回るように音楽を探し続けられるという仕組み、というわけです。

なんとロマンチックなサービスなのでしょうか…

 

ちなみに、Songriumにあるボカロ楽曲は、ニコニコ動画の「VOCALOID」タグなどから自動的に判別して登録しているため、日々自動的にコンテンツが増え続けているのです!

 

 

バブルプレーヤ

 

さて、お次は「バブルプレーヤ」のご紹介。ニコニコ動画にデモ動画がアップされています。

 

これは、過去から現在に至るまでのボカロ楽曲の歴史を、時系列をたどりながら試聴できるというもの。

2007年8月末の初音ミク発売の際にアップされたデモソングを皮切りに、時間が経つにつれてどんどんボカロ楽曲が増えていく様子を、バブルアニメーションで表現しています。

 

バブルプレーヤ再生途中画面

バブルプレーヤの再生途中画面

 

なにも設定しなければ、2007年8月から2014年8月現在までの再生回数が250万回以上の曲のサビ15秒を自動的に再生していきます。指定期間、自動的に再生される楽曲や再生時間などは、設定で変更できます。例えば2008年の間に再生回数が多かった楽曲だけを対象にすることもできます。

 

また、アニメーションと同時に、その当時のできごとを重ねて表示するカレンダー機能も実装されています。当時のできごとは、Googleカレンダーに記載されているものを表示する仕様です。GoogleカレンダーのIDは自由に変更可能で、デフォルトではVOCALOID関連イベントを掲載している「VOCALENDAR」を利用しています。ボカロファンにとっては懐かしいできごとと共に当時流行したボカロ楽曲が聴ける、というニクい機能になっています。

 

一般公開設定にする必要がありますが、自分のGoogleカレンダーのIDを入力しても面白いかもしれませんね。

 

 

歌声分析

 

最後に紹介するのは、ボカロ楽曲を「歌ってみた」動画の「声」を解析して、「男女度」を可視化するというユニークな「歌声分析」機能です。

 

歌声分析トップページ

歌声分析トップページ

 

ボカロ楽曲は、男性女性問わず色々な人がカバーしています。この機能は、リスナーが「この楽曲は男らしい男性の声で聴きたい!」というときに、容易に検索できるようにしてくれます。

 

「夕景イエスタデイ」の選択画面

「夕景イエスタデイ」の選択画面

 

始めの画面で曲を選択すると、当該曲を歌っているボーカルの一覧をバブルで表示してくれます。さらに、そのボーカルの位置がより男性側に近いほうが「男声」で、女性側に近いほうが「女声」だと推測できます。

 

真ん中あたりは、確かに中性的な声のような気がしなくもありません…。

 

こちらも、バブルの大きさで人気度を表しています。

 

 

超歴史プレーヤ

 

超プレーヤ再生画面

超プレーヤ再生画面

 

また、特設コーナーとして、ニコニコ動画の全カテゴリの歴史をバブルアニメーションで振り返る「超歴史プレーヤ」というサービスを公開しています。ふわふわ浮かんでくるバブル(動画)で気になったものを右側のスペースにドラッグ&ドロップすることで再生できます。

 

カテゴリ毎に絞り込むこともでき、例えば「ゲーム」カテゴリのみの動画を振り返ることもできます。

もはや音楽と関係ないサービスですが、「バブルアニメーションで時間経過を表示する」ことの面白さがよく伝わりますね。

 

 

おわりに

 

さて、次世代レコメンドシステムとも言うべき「Songrium」はいかがでしたか?

 

同サービスには、最先端のWebマイニング技術、音楽理解技術、またインターフェース面ではHTML5、SVG、JavaScriptの技術が用いられています。

しかし、そんな難しい話は抜きにして、時間を忘れて音楽を探せる魅力的なサービスなのは間違いありません。

 

「関連動画」や「タグ付け」という概念は、特に目新しいものではありません。ですが、大量のデータを解析し、バブルアニメーションで表示するなど「見せ方」を工夫するだけで、分かりやすく楽しいサービスになってしまうのです。

 

 

音楽関係のアプリケーションが多様化するなかで、どこで差別化を図るのか。

僕は、デザインだと思います。デザインがリスナーの使いやすさ、音楽の親しみやすさに繋がるような類似サービスが増えることを願っています。

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