17/01/2015
先週の記事では、クラシック音楽の起源としてグレゴリオ聖歌を取り上げました。
普段、合唱曲をあまり聴いていないせいか、
人の声だけというのは、新鮮で不思議と惹かれるものでした。
これまでご紹介してきた曲は管弦楽曲ばかりでしたが、
クラシック音楽の起源が歌なら、管弦楽と合唱のための曲だってたくさんあるはず…
そういえば、以前にご紹介した第九も合唱付きの大迫力でした。
今回は、交響曲×合唱に絞って調べてみました。
しかし、いざ調べてみると、合唱の含まれる交響曲は1曲あたりの演奏時間が長い…!
全曲を通すと、大抵の曲が1時間を超え、合唱が出てくるのは後半になってからでした。
これでは、オーケストラ×合唱にたどり着くまでに挫折しかねない…
ということで、それぞれ、合唱が含まれている楽章だけを抜き出したものも載せています。
つまみ食いしてみたい方はそちらから、全曲聴いてやるぜ!という猛者はフルバージョンでお楽しみください。
*ベルリオーズ 劇的交響曲「ロメオとジュリエット」
*メンデルスゾーン 交響曲第2番
*シベリウス クレルヴォ交響曲
*マーラー 交響曲第2番「復活」
ベルリオーズが作曲した交響曲。
「合唱、独唱、および合唱によるレチタティーヴォのプロローグ付き劇的交響曲」(symphonie dramatique)と
銘打っている通り、
大編成のオーケストラに独唱、合唱をともなう大規模な作品です。
シェイクスピアの悲劇『ロメオとジュリエット』を題材としています。
交響曲と名前は入っていますが、イメージとしてはオペラに近いように感じました。
第1部
フルバージョン
(演奏は4分30秒から)
歌:アルト独唱、バス独唱、合唱84人以上
オーケストラ:フルート2(1人はピッコロ持ち替え)、オーボエ2(1人はコーラングレ持ち替え)、クラリネット2、ファゴット4、ホルン4、トランペット2、コルネット2、トロンボーン3、チューバ、オフィクレイド(またはチューバ)、ティンパニ2対、大太鼓、シンバル、アンティーク・シンバル、トライアングル2、タンブリン2、ハープ2、弦五部(第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン各15以上、ヴィオラ10以上、チェロ14以上、コントラバス9以上)
全体は大きく7部からなる。演奏時間は約1時間33分。
第1部「序奏」
争い、騒動、領主の仲裁:管弦楽のみ
Allegro Fugato
プロローグ:コントラルトと小合唱「眠っていた古い憎しみが」
Moderato – Allegro – Moderato – Andante con molto ed appassionato assai
ストローフ:コントラルト「忘れようがない、はじめての熱狂よ」
Andante avec solennite
レチタティーフとスケルツェット:
テノールと小合唱「まもなくロメオは物思いに沈んで」
Moderato – Allegro mesure
テノールと小合唱「マブよ、夢のお遣い」
Allegro leggiero
小合唱「やがて死が統べ括り」
Andante
第2部 管弦楽のみ
ロメオただ一人、哀しみ、遠くから聞こえてくる音楽会と舞踏会、キャピュレット家の饗宴
Andante malinconico e sostenuto – Allegro – Larghetto espressivo – Allegro
第3部「愛の場面」管弦楽のみ
静かに晴れた夜 – 音も人影もないキャピュレット家の庭 – キャピュレット家の若者たちが、宴の間を出て、舞踏会の音楽を思い思いに口ずさみながら通り過ぎる。
Allegretto
愛の場面
Adagio – Animato – Allgro agitato – Adagio
第4部 「愛の妖精の女王マブ」管弦楽のみ
スケルツォ
Prestissimo – Allegretto – Tempo I un poco piu presto – Prestissimo – Presto, ancora piu animato
第5部 「ジュリエットの葬送」
キャピュレット家の合唱「花を撒け、みまかれる処女のために!」
Andante non troppo lento
第6部 「キャピュレット家の墓地におけるロメオ」管弦楽のみ
祈り、ジュリエットの目覚め、忘我の喜び、絶望、いまはの苦しみと愛しあう二人の死
Allegro agitato e disperato – Allegro vivace ed appassionato assai – L’istesso tempo, un poco animato
第7部 「終曲」
人々は墓地に駆けつける:モンタギュー家の人々の合唱「何だと! ロメオが戻った! ロメオが!」
Allegro – Molto piu Lento
ロレンス神父のレチタティーフとアリア:ロレンス神父と合唱「わたしが不思議をといて進ぜよう」
Allegro non troppo – Allegro – Un poco meno allegro – Andantino
ロレンス神父と合唱「かわいそうな御子たちを悼んでわたしは泣く」
Larghetto sostenuto – Allegro non troppo – Andante maestoso
キャピュレット家とモンタギュー家の口論:合唱「だが私たちの血が彼らの剣を赤く染めている」
Allegro
ロレンス神父の祈り:ロレンス神父、合唱「黙りなさい!」
Allegro – Allegro moderato,una misura eguale a due misure del tempo precedente
和解の誓い:ロレンス神父、合唱「では誓いなさい。神聖な御印にかけて」
Andante un poco maestoso
—Wikipediaより
メンデルスゾーンが1840年に作曲した独唱と合唱を伴う交響曲。
作曲順では、交響曲全5曲中、4番目ですが、
出版が2番目だったので第2番と表記されています。
ベートーヴェンの交響曲第9番を彷彿とさせる独唱と合唱の付いたこの交響曲は、
初演当初人気を博したものの、それ以降は注目を集めることも少なかったようです。
しかし、1958年、ライプツィヒに国際メンデルスゾーン協会設立後、
再評価されて再び脚光を浴びるようになりました。
個人的に、メンデルスゾーンは室内楽のイメージが強かったので、
「メンデルスゾーンの交響曲」という言葉の響きに対してかなりの新鮮さががありました。
ドイツっぽい重い響きが気に入ったので、他の交響曲も聴いてみようと思います。
終楽章
フルバージョン
声楽:ソプラノ独唱2、テノール独唱、混声合唱
オーケストラ:フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット2、トロンボーン3、弦五部、ティンパニ、オルガン(第2部のみ)
作品は全2部10曲から構成される。第1部は3楽章のシンフォニア、第2部はカンタータ楽章となっている。なお改訂版では第6曲・第8曲・第10曲が書き足されており、原典版とはテクストが異なる。
第1部
第1曲 シンフォニア(Sinfonia)
第1楽章 マエストーソ・コン・モート-アレグロ(Maestoso con moto – aregro)
序奏部のマエストーソ・コン・モート(変ロ長調、4分の4拍子)は3本のトロンボーンによって厳かに奏され始める。この序奏は全曲の基本主題であり、祝典的な役目も果たす。また第10曲の終結部でもこの主題が登場する。主部のアレグロ(変ロ長調、4分の4拍子)はソナタ形式による。クラリネットのカデンツァののち、アタッカで次の楽章へ切れ目なく移行する。
第2楽章 アレグレット・ウン・ポコ・アジタート(Allegretto un poco agitato)
ト短調、8分の6拍子。自由な三部形式による。スケルツォに相当する楽章(ただし明記されていない)で、トリオはト長調。
第3楽章 アダージョ・レリジオーソ(adagio religioso)
ニ長調、4分の2拍子。三部形式による。中間部はニ短調。第3楽章の動機は第2部でも活用される。
第2部
第2曲 合唱「息づくものはすべて、主をたたえよ!」(Alles, was Odem hat, lobe den Herrn)
アレグロ・モデラート・マエストーソ-アニマート、ニ短調。管弦楽による序奏(16小節まで)が置かれている。この序奏は第3楽章の中間部のリズムを活用している。17小節から合唱が歌い、モルト・ピウ・モデラート(139小節以降)からはソプラノ独唱と女声合唱が「わが心よ、わが内なるものよ、主をたたえよ」を歌う。詞は詩篇150:6、33:2(主を讃えよ、弦を奏で、歌え、というこの曲のコンセプトと重なる歌詞が登場する)、145:21、103:1-2による。
第3曲 アリア「お前たちは主により救済されたと唱えよ」(Saget es, die ihr erlöst seid )
アレグロ・モデラート、ト短調。テノール独唱によるレチタティーヴォとアリア。詞は詩篇107、56:8/119:50による。
第4曲 合唱「お前たちは主によりて」(Saget es, die ihr erlöset seid)
ア・テンポ・モデラート、ト短調。詞は詩篇107/56による。
第5曲 ソプラノと合唱「私は主を待ち焦がれ」(Ich harrete des Herrn)
アンダンテ、変ホ長調。ソプラノ二重唱と合唱。第5曲はシューマンがとくに絶賛した部分であり、批評も残している。詞は詩篇40:2/5による。
第6曲 アリア「死の絆は、われらを囲み」(Stricke des Todes hatten uns umfangen)
アレグロ・ウン・ポコ・アジタート、ハ短調。テノール独唱とソプラノのレチタティーヴォによる。詞は詩篇116:3、エフェソ5:14、イザヤ21:11-12による。
第7曲 合唱「夜は過ぎ去ったのだ」(Die Nacht ist vergangen)
アレグロ・マエスト-ソ・エ・モルト・ヴィヴァーチェ、ニ長調。詞はローマ書13:12による。
第8曲 合唱「今やみなは心と口と手をもって」(Nun danket alle Gott)
コラール.アンダンテ・コン・モート-ウン・ポコ・ピウ・アニマート、ト長調。ルター派の有名なコラールが用いられ、8声部の無伴奏で歌われる。ただしコラールの歌詞はマルティン・リンカルト(ドイツ語版)が1636年に作ったものである[3]。
第9曲 アリア「こうしたわけで、私は自分の歌で」(Drum sing ich mit meinem Liede)
アンダンテ・ソステヌート・アッサイ、ト短調。ソプラノとテノールの二重唱による。詞は由来不明だが、詩篇の詩句をメンデルスゾーンが自由に編纂したとも考えられる(外部リンクに詳細な解説あり)。
第10曲 終末合唱「お前たちの種族よ、主に栄光と権力を与えよ!」(Ihr Völker! bringet her dem Herrn Ehre und Macht!)
アレグロ・ノン・トロッポ、ト短調-変ロ長調。終末合唱はフーガの手法によって展開する。第1部の基本主題が登場し、「息づくものはすべて主をたたえよ」が歌われて全合奏によって輝かしく終える。詞は詩篇96、歴代誌上16、詩篇150:6による。
—Wikipediaより
シベリウスの初期の合唱付き管弦楽曲。
楽章の配置や内部構成が交響曲の性格を持っているので、
「クレルヴォ交響曲‘Kullervo’-sinfonia」とする俗称・通称が一般化しています。
しかし、シベリウス自身は譜面に「交響曲」の文字を記入しておらず、
「独唱者と合唱、管弦楽のための交響詩」との副題を添えていたとか。
このような事情により、交響曲全集に収録されない場合があるそうです。
メモリアルイヤーの記事でもご紹介した通り、
民族音楽的な独特の響きが特徴のシベリウスですが、
それは合唱付きでも健在のようでした。
3楽章
5楽章
フルバージョン
https://www.youtube.com/watch?v=oWxqK7IaeVU
歌:ソプラノ独唱、バリトン独唱、男声合唱
オーケストラ:フルート2(ピッコロ1持ち替え)、オーボエ3(イングリッシュホルン1持ち替え)、クラリネット2(バス・クラリネット1持ち替え)、ファゴット2、ホルン4、トランペット3、トロンボーン3、テューバ、ティンパニ、トライアングル、シンバル、弦5部
ホ短調で以下の5つの楽章から成り、
クッレルヴォの生涯の様々な段階を年代記風に追っている。
- 導入部 Johdanto (Allegro moderato)
自由なソナタ形式の楽章。管弦楽のみ。演奏時間は11.5~16.5分程度。
- クレルヴォの青春 Kullervon nuoruus (Grave)
和やかな緩徐楽章。やはり管弦楽のみで演奏。形式的には自由なロンド形式で、A-B-A-B-Aの構造をとる。演奏時間は13.5~19.5分程度。
- クレルヴォとその妹 Kullervo ja hänen sisarensa (Allegro vivace)
5拍子を採ることで有名な楽章。男女の独唱と男声合唱でクッレルヴォの恋愛が謳い上げられるが、真実が明るみに出たときには時すでに遅く、妹は自殺してしまう。結びの男声独唱は、妹の死を嘆くクッレルヴォを表している。歌詞は『カレワラ』第35章による。演奏時間は23~26分程度。
- クレルヴォの出征 Kullervon sotaanlähtö (Alla marcia)
スケルツォ楽章に該当し、精力的で好戦的な音楽が繰り広げられる。演奏時間は9~11.5分程度。
- クレルヴォの死 Kullervon kuolema (Andante)
おぼろげな男声合唱がクッレルヴォの死を歌い上げる。歌詞は『カレワラ』第36章による。演奏時間は9~14.5分程度。
-Wikipediaより
「復活」(Auferstehung)という標題が付されるのが一般的な交響曲です。
これは、第5楽章で歌われる
フリードリヒ・クロプシュトックの歌詞による賛歌「復活」(マーラー加筆)から
とられたものですが、
マーラーがこの標題を正式に用いたことはないとのこと。
オルガンやバンダ(舞台外の楽隊)を含む大編成のオーケストラに加え、
第4楽章と第5楽章に声楽を導入しています。
このため、演奏上の指示とは別に、
バンダの配置場所や独唱者をどのタイミングでステージに登場させるか、
合唱隊をいつ起立させるかなどの演出的な要素が多く、
指揮者の考え方が問われる曲です。
今回紹介する楽曲の中で、唯一演奏経験があるのですが、
終楽章の合唱とオーケストラの盛り上がりでは、
体全体が音に包まれている!という感覚で、
耳だけでなく、肌がぴりぴりした(演奏中は半袖のドレスなので…)のを覚えています。
5楽章
https://www.youtube.com/watch?v=JWP9byshDH4
フルバージョン
https://www.youtube.com/watch?v=sHsFIv8VA7w
歌:ソプラノ独唱、アルト独唱、混声合唱
オーケストラ:フルート 4(ピッコロ持ち替え 4)、オーボエ 4(コーラングレ持ち替え 2)、小クラリネット 2、クラリネット 3(バスクラリネット持ち替え 1)、ファゴット 4(コントラファゴット持ち替え 2)、ホルン 10(そのうち舞台外に4)、トランペット 6 + 舞台外に4(しかし移動のための時間があればオーケストラ側から2人借りられる)、トロンボーン 4、チューバ1、ティンパニ 2人(8台) + 舞台外に1台(計3人)、シンバル 2 + 舞台外に1、タムタム 2、大太鼓 +舞台外に1、小太鼓 1以上の複数、グロッケンシュピール、鐘(音程の定まらないもの3種)、ルーテ(むち)、ハープ 2台、オルガン、弦五部(16型)、
スケルツォ楽章を中心とした対称的な5楽章配置が見られ、マーラーの交響曲として代表的な構成である。演奏時間は通常80分前後だが、速い演奏だとオットー・クレンペラー指揮の1950年のシドニー交響楽団とのライブ録音で68分、遅い演奏だと同指揮者のニュー・フィルハーモニア管弦楽団との録音で99分というのが有名である。
第1楽章
アレグロ・マエストーソ まじめで荘厳な表現で一貫して ハ短調 4/4拍子 ソナタ形式
弦のトレモロの上に、低弦が荒々しい第1主題を出す。葬送行進曲風に進行し、徐々に熱気を帯びて金管やシンバルを加えて発展する。経過句の後、第2主題がホ長調でヴァイオリンで提示される。憧憬に満ちた祈るような順次上行が特徴的だが、第1主題に遮られ小結尾に入る。ホルンと低弦による3連符を含む特徴的なリズムを経て、金管がコラール風の主題を奏して第1主題と絡めて発展する。ホルンと木管が残り、葬送行進曲風の曲想に戻り、ハープが残って提示部が閉じられる。
展開部は大きく2つに分かれ、前半はヴァイオリンが美しく第2主題を奏でて開始される。始まって小結尾やリズム動機を扱う。再び第2主題がフルートやヴァイオリン・ソロに現れると安らかになって静まる。それが第1主題の動機により打ち破られるところから後半に入る。ここでは主に第1主題を扱う。ホルンにコラール風な旋律が現れるが、これは終楽章で重要な役割を果たすことになる。小結尾の動機で叩きつけるようにクライマックスを築いて展開部が閉められる。
再現部はほぼ型どおりだが、オーケストレーションや進行は変えられている。第1主題は発展が省略されて経過句に遮られ、そのまま第2主題が続いて消え入るように再現部が終わる。コーダは小結尾の葬送行進曲で暗鬱に静まっていくが、トランペットが半音下降して長和音から短和音に移行(後の交響曲第6番のモットーに通じる)し、最後は半音階的に崩れ落ちるように終わる。
この第1楽章では拍子変更が全くなく、4/4拍子で貫かれている。
演奏時間は19~25分程度。
第1楽章の後に「少なくとも5分間以上の休みを置くこと」という指示があるが、現実的にはこの指示通りになされることは少ない。第1楽章の後にソリスト、合唱を入場させて時間をとることもある。この指示は指揮者を信用しないというマーラーの強い信念がかかわる。
第2楽章
アンダンテ・モデラート きわめてくつろいで、急がずに 変イ長調 3/8拍子 ABABAの形式
主部は弦による舞曲風な主題で、落ち着いた表情と伸びやかな雰囲気を持つ。中間部は3連符の弦の刻みに乗って管楽器が歌う。ロ長調だが短調に傾いている。2回目の主部はチェロのおおらかな対旋律が加えられており、中間部の再現はオーケストレーションが厚くなっているなど、単純な繰り返しが避けられている。最後の主部の再現では、弦楽器のピチカートとなる。
演奏時間は9~12分程度。
第3楽章
スケルツォ 静かに流れるような動きで ハ短調 3/8拍子 三部形式
主部はティンパニの強打につづいて、ヴァイオリンがなめらかに上下する主題を出す。中間部では、低弦が歯切れのよいリズムを刻み、管楽器が快活な主題を奏する。主部の再現はより自由に進行する。結尾では、中間部の主題が現れ、爆発的に盛り上がったところで終楽章を予告する。『子供の不思議な角笛』の歌曲「魚に説教するパドヴァの聖アントニウス」と同じ材料で作曲されており、両者は双生児のような関係にある。また、中間部の主題は、ウィーン音楽院でのマーラーの親友で、近年再評価が進んでいるハンス・ロットの交響曲第1番ホ長調第3楽章の第1主題からの引用の可能性が指摘されている。
第3楽章から第4楽章、さらに第5楽章まで切れ目なく演奏される。
ルチアーノ・ベリオの『シンフォニア』第3楽章はこの楽章をベースにして、古今東西のクラシック音楽をその上に引用している。
演奏時間は9~12分程度。
第4楽章
「原光」 きわめて荘重に、しかし素朴に 変ニ長調 4/4拍子 三部形式
「赤い小さな薔薇よ」とアルト独唱が歌う。舞台外の金管がコラール風の間奏を添える。中間部で転調し、独唱にヴァイオリンソロ、木管が絡む。『子供の不思議な角笛』の第7曲「原光」(Urlicht)からとられた。
演奏時間は4~6分程度。
第5楽章
スケルツォのテンポで、荒野を進むように ヘ短調 – 変ホ長調 4/4拍子 拡大されたソナタ形式
演奏時間にして全体の4割以上も要する長大な楽章で、マーラー流に拡大されたソナタ形式で構成されている。第4楽章が終わるとそのまま開始され、管弦楽の強烈な響きのなかで、金管が叫ぶような第1主題を出す。最弱音のホルンがハ長調で明るい動機を示し、ホルンの「呼び声」のような動機がこだまする。第2主題は「第2主題部」ともいえるもので、前半に木管がコラール(ベースはグレゴリオ聖歌の「怒りの日」)を出す。これは第1楽章ですでに示されていたもの。後半はトロンボーン、さらにトランペットが引き継ぐが、これが「復活」の動機と考えられている。しばし音楽は穏やかになるが、ヴァイオリンのトレモロの上に、フルートとイングリッシュ・ホルンが不安げな動機を示す。コラールと「復活」動機、不安げな動機が繰り返され、切迫する。
展開部は、第1主題の叫びで開始される。コラール主題が加わってきて行進曲調となり、勇壮華麗に展開される。頂点で急激に静まると、不安げな動機が金管に出て、トランペットのファンファーレ的な音型を繰り返しながら今度はストレッタ的に急迫していく。第1主題がすべてを圧するかのように出ると、再現部に入ったことになる。
第1主題につづいて出るホルン動機は、チェロの柔らかい音型に変奏されている。ホルンの呼び声が舞台外にこだましていくと、フルートとピッコロが夜鶯を表す。呼び声とトランペットのファンファーレが交わされる。オーケストラが沈黙したところで、合唱がクロプシュトックの「復活」賛歌を神秘的に歌い始める。合唱はユニゾンの扱いが多く、印象的である。オーケストラはホルン動機に基づく間奏で応え、合唱、さらにオーケストラとなる。トランペットがホルン動機の完全な姿を示す。アルト・ソロが不安げな動機に基づいて歌い、男声合唱が「復活」動機を劇的に示す。ソプラノ・ソロとアルト・ソロの二重唱となる。ここでは第4楽章の後半の動機も扱い、高まっていく。合唱がホルン動機を繰り返して高揚し、オルガンも加えて壮大に「復活」動機を歌い上げる。ホルン動機に基づく管弦楽の崇高な響きで全曲を締めくくる。
演奏時間は33~38分程度。
—Wikipediaより
調べてみると、オペラや管弦楽の伴奏による合唱曲は数多くあるのですが、
交響曲×合唱という性質の曲は意外と少なかったです。
交響曲という条件を加えると、交響曲を引き立たせるための合唱という印象になるのでしょうか…
それでも、合唱が入った時の迫力はすごい
リファレンス
Wikipedia
(ライター:シムラ アイキャッチ:Wikipedia)
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