27/09/2014
Q「就活で一番苦労したことは?」A「びよらの説明です」 #violajoke
— びよら冗句 (@viola_joke) 2014, 9月 22
突然ですが、ヴィオラという楽器をご存じでしょうか…?
この楽器、小学校の音楽の授業にも出てくるはずなのに、 どうしようもない知名度の低さです。
「あれ、吹いてるやつ?弾いてるやつ?」
「あー、こういうやつ?(チェロを弾く真似)」
「ヴァイオリンより小さいんだっけ?」
これらは「ヴィオラをやってます」と自己紹介した際に、 私が実際にかけられたことのある言葉達。
話を合わせてくれようとする心遣いは嬉しいのですが、
どこから訂正したらよいのやら……
さて、名前と見た目すら一致してもらえないほど知名度の低いヴィオラですが、
なぜかオーケストラ奏者の間で(おそらく)有名な「ヴィオラジョーク」というものがあるのです。
ジョークがまとめられたサイトを見ていると、「そこまでいうか…」と思うような過激なものもありますが、
ここまで過激になれるのもヴィオラ奏者が愛されているからだ…!(若干の強がり) というわけで、
今回は、みなさんにヴィオラを知っていただくべく、
衝撃的なヴィオラジョークとともにその魅力の一端をご紹介したいと思います!
さて、まずはみなさんに、他の楽器とよく間違えられる
悲しき楽器「ヴィオラ」の正しい姿を理解していただきたいと思います。
(ジョークだけ知りたい方は飛ばしていただいても構いません)
ヴィオラ viola〔伊・英〕 擦弦楽器のひとつ。
ヴァイオリン属の中音域楽器。ヴァイオリンよりやや大きく、音高は5度低い楽器。(中略)
ルネサンスやバロック時代における、すべての擦弦楽器に対するイタリア語の総称。
ヴィオラ・ダ・ガンバ(脚のヴィオラ)と
ヴィオラ・ダ・ブラッチェ(腕のヴィオラ)の2種に大別された。
―目黒惇編『音楽中事典』音楽之友社
ヴァイオリンより一回り大きい弦楽器で、ヴァイオリンとの違いは弦1本の音程だけです。
したがって、ヴァイオリンの1番高音の弦と ヴィオラの1番低音の弦を除いた3本は全く同じ調弦。
音域的にもヴァイオリンとチェロに挟まれて存在意義があるのか悩ましくなってしまう楽器です。
また、音楽は、メロディ・和音・リズムの3つで構成されているなどと言われますが、
ヴィオラが担当するのは主にリズムです。
ヴァイオリンや管楽器が楽しげにメロディを奏でる横でリズムを刻みます。
地味です。縁の下の力持ち的存在です。
ヴィオラ譜を見て何の曲か分かる人はまずいないでしょう。
ごくたまに、メロディを弾く機会があるのですが、 テンションはうなぎのぼりですね。
めrrrrrrrrrrrrrrrrrrっろでぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいだああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
— ヴィオラbot (@Violabot) 2014, 9月 26
普段は目立たないヴィオラですが、数あるオーケストラの楽器の中でも唯一
「ヴィオラジョーク」というジョークの分野を確立しています。(論文も発表されているようです)
内容としては、圧倒的な自虐ネタです。
目立ないこと、音楽的にヒエラルキーが下であること、
ヴァイオリンから転向してくる人も多いこと…などなど、
あらゆる要素が自虐へと繋がっています。
こんなジョークを受け入れてしまう能天気寛大さ、懐の深さも
ヴィオラ(奏者の?)魅力の1つではないでしょうか。
今回は入門ということで、音楽の知識がなくてもわかるジョークをいくつかご紹介しましょう。
デジタル録音だとヴィオラの音が聞こえないのは何故?
録音技術が格段に進歩したため、全ての外部ノイズをカットするようになったからです。
ノイズばっかり出しててすみません…って、失礼な!
12人のびよりすとが一糸乱れぬ演奏をするには?
11人撃ち殺す。
いや、やっぱり12人全部撃ち殺す。
でも、12人もびよりすとが必要なときなんてないよなぁ……。
「びよりすと」とは、もちろんヴィオラ奏者のことです。
奏者の技術が足りないこと=揃った演奏ができないことを自虐したものですが、そこまで言わなくても…
ヴァイオリンを盗まれないようにするには?
ヴィオラのケースに入れておきます。
そもそもヴァイオリンケースとヴィオラケースを見分けられる泥棒がどれだけいるのかという問題…
テロリストの集団がヴィオリストで満員の飛行機をハイジャックしました。
彼らは 管制塔に連絡をとり、要求を述べるとともに、
もしも彼らの要求が受け入れられない場合は、
1時間に1人ずつヴィオリストを解放すると脅迫しました。
これが本当の生物兵器……(真顔)
昔々、脳移植手術を手がける病院がありました。
患者が価格について質問しました。
ドクターはこう説明しました。
“この博士号取得者の脳は1万ドル、この脳はNASAの一流の科学者のもので1万5千ドル、
そうそう、こちらにはヴィオリストの脳もあります。これは5万ドルになります。”
患者は尋ねました。”何ですって?そんなことあり得るんですか?”
ドクターは答えました。”お判りかと思いますが、全くの未使用ですので。
リズムを刻むだけなら、何にも考えなくてもできるだろ…だって?(涙を拭きながら)
さて、ここまで散々なヴィオラジョークをご紹介してきましたが、
自虐だけで終わっては悲しいので、ヴィオラに対する温かいお言葉をご紹介しておきましょう。
2006年放送のドキュメンタリー番組「情熱大陸」で紹介されていた
世界的指揮者サイモン・ラトル氏の言葉です。
「ヴィオラは影の立役者。主旋律を奏でることは少ないが、
ヴィオラ抜きにオーケストラは成り立たない。
ワインに例えれば、ヴァイオリンがラベルで、チェロがボトル、
そしてヴィオラが肝心の中身だ」
― youtubeより
なんて素敵な言い回しでしょうか…!
ここまで言われると、少し恥ずかしい気もしますが(笑
ヴィオラはオーケストラにおいて最高音と最低音の間を埋める内声を担当しています。
目立つことこそないものの、
その実力の違いがオーケストラ全体に影響すると言われるパートなのです。(渾身のどや顔)
いかがでしたでしょうか。
ここまで読んでくださったみなさんは、
いつか「ヴィオラを弾いています」という人に出会ったら、
ぜひとも、「あー、ヴァイオリンよりちょっと大きいやつだっけ?知ってるよ!」
ぐらいの返答をしてあげて欲しいと思います。
ヴィオラの存在を知っているというだけで、小躍りして喜んでくれるでしょう。
ヴィオラジョークに興味を持った方はぜひ「ヴィオラジョーク」でググってみてください。
音楽の知識があると更に笑えるジョークや、もっと過激なジョークがたくさんあります。
Twitterアカウント「@viola_joke」などでもどうぞ。
オーケストラを見たり聴いたりする際には、メロディ以外の楽器にも注目してみると
また違った面白さがありますよ♪
リファレンス
タイトルに使用したジョーク:http://red.ribbon.to/~loveb/index.files/violajoke.htm
目黒惇編『音楽中事典』音楽之友社
http://www.youtube.com/watch?v=I735bKVYl-4&sns=tw
(ライター:シムラ アイキャッチ:http://jp.pinterest.com/pin/535787686892231384/)
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