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地獄への道は善意で舗装されている

18/05/2015

 

湯浅です。「鳥のように空を飛びたい」から「ドローンのように空を飛びたい」に変わる未来は訪れるのでしょうか?

 

ところで、川崎市中学生殺害事件から話題になっていた配信中学生が御開帳行事をしていた善光寺でドローンを落としたり、国会近くの公園でドローンを飛ばそうとして警察とひと悶着あったりと事態が大きくなっているようです。

 

国会近くでドローン飛行 善光寺でも 少年を厳重注意(朝日新聞)

 

国会近くでドローン飛ばそうとした少年注意(NHK)

 

 

ネット上にはその中学生の身辺に関することが数多く上がっていますが、このような時こそどの情報が正確なもので、どの情報は不正確なものかはっきりしないため、注意しないといけないですね。さらなる問題を引き起こしかねません。

 

 

さて、中学生の行動や配信から類推するに、この子はこの子なりの正義感を持って配信をしているように感じます。ある種の伝える魂というか、ジャーナリズム魂に親しいものといってよいのではないでしょうか。

 

わかります。

 

僕も大学生の頃には、某プロレス団体のような組織や某協会の周辺をウロチョロしていたという過去がありました。その時には、己の正義感なりになにかを発信したい!という気持ちがありました。今考えてみると、血走った若気の至りとしか言いようがないです。

 

 

そんな経験をした僕が今回のニュースをみて「その正義感はなんのため?誰のため?」と考えました。前述しましたが、一連の配信をこの中学生はこの子なりの正義感を持ってやっているのでしょう。しかし、それは一体何のための正義感なのでしょうか?それと、一体誰のための正義感なのでしょうか?それがまったくもって僕には読み取れませんでした。むしろ、この子は自分のパワーを発信することによって、自分はこれだけのことができるんだぜ!という「自己顕示欲」を配信しているのではないでしょうか。誤った自己顕示欲の配信は誰のためにもならない、なにも生まない発信になるでしょう。

 

 

僕のHipHopを知るきっかけを作ったライムスター宇多丸師匠が『HEEL』や『ダーティー』という曲のリリックで「地獄への道は善意で舗装」という言葉を用いて、ラップをしています。この言葉は「良かれと思って行ったことが悲劇的な結果を招いてしまうこと。または、悲惨な出来事が皮肉にも善意の行いが発端となっている」ことを意味しています。

※ただし、他の意味や解釈もいくつかあるようなので、こちらをご覧いただければと思います。

 

 

ソーシャルメディア、動画も配信できるほどのインターネット通信環境、簡単な配信設定、安価で高画質なカメラ。これらの便利なものを我々は至極当たり前に享受するようになっていますが、配信・発信をすることにはそれなりの責任感があることをおざなりにしてしまっていることがあるのではないでしょうか。本当に誰かのためになる発信か?本当にそれは何か意義のある発信なのか?さらには、人を傷つけてしまう発信ではないか?全ての人につきつけられている時代にもなっています。そして、改めて我々は、己の発信が「地獄への道は善意で舗装されている」ことに加担してないか、考えなければならないでしょう。

 

 

今回のエントリーは自戒でもあり、ブーメランでもありますが。

 

 

あ、ちなみに若者のネットコミュニケーションに関して朝日新聞メディアラボのスクーで番組を行います。

ぜひ、ご覧くださいませ。

 

【第1回】新年度、改めてみんなで考えるネットコミュニケーション2015

https://schoo.jp/class/2391

 

放送日時:2015年5月28日(木)21:00〜22:00

 

 

それでは、また。

 

 

アイキャッチ:Chris Potter (flickr)

ライター:湯浅 拓

 

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