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24歳男・大学院生、セクハラについて本気出して考えてみた

18/07/2014

 

ちょっと前のことだが、僕のtwitterのタイムラインにこんなツイートが流れてきた。

 

おや?そ、そうなのか!?と、正直すこし驚いた。

 

「『セクハラ=卑猥なことを言ったり体を触ること』じゃない」ということは分かっていたつもりだけど、これもセクハラなのか、と。これって世の女性に共有されてる認識なのかしら。というか、合コンだったらアリなの?上司の描き方に少し恣意性を感じなくもないけど、イケメンだったらどうなの?と、我ながら幼稚な気がするけど、そんな疑問が次々と湧いてきてしまった。

 

これくらい良いじゃん!と言いたいのではなく、セクハラに正面から向き合ってこなかった24歳男性代表として、セクハラって何だろう、と考えてみたいのだ。そのために瀧波ユカリ氏 @takinamiyukari のツイートは大変参考になるので、彼女のツイートを整理しながら考えよう。

 

悪意の有無について

 

4コマ漫画についてツイッター上でも様々な議論があるが、まずはコチラから。

 

 

確かに、一方的にセクハラ呼ばわりされているのを見ると、発言者に悪意があったのか気になってしまう。

しかし例えば学校での「いじめ」の問題でいえば、悪意の有無については(少なくとも公的な定義上は)とっくに決着がついているようだ。

 

文部科学省は毎年行っている「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」で、いじめを以下のように定義している。

本調査において、個々の行為が「いじめ」に当たるか否かの判断は、表面的・形式的に行うことなく、いじめられた児童生徒の立場に立って行うものとする。
「いじめ」とは、「当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの。」とする。なお、起こった場所は学校の内外を問わない。
(注1) 「いじめられた児童生徒の立場に立って」とは、いじめられたとする児童生徒の気持ちを重視することである。

 

(文部科学省ホームページ「いじめ問題への文部科学省の取り組み」

 

これは2006年に改訂されて以降の定義だが、改訂以前も「いじめられた児童生徒の立場に立って」いじめを判断する、というのは変わらない。

「注1」にもあるように、悪意の有無よりもいじめられた立場の気持ちが重要なのだ。

 

学校での「いじめ」を定義しているので、この内容には教育上の配慮があるだろう。とはいえ、セクシャル・ハラスメントは「性的ないやがらせ、いじめ」と直訳されるし、この定義の延長線上で考えられるものだと思う。

 

なぜ悪意の有無は問わないか。それは、僕たちが今問題にすべきなのは、「当たり前だと思い込んでいるような、無意識の中にある考え方にこそ、セクハラやいじめにつながるものが潜んでいるのではないか」ということだからだ。

瀧波氏が言うように、悪意の無い発言の方が悪意のあるそれより厄介なのだ。それでも悪意のない発言の問題点を突かなければ、いつまでもいじめやセクハラは無くならないだろう。

 

上司がイケメンだったら

 

そもそも4コマ漫画を見て「上司キモく描きすぎ!イケメンだったらどうなのよ!」と意見すること自体、「どうせ女性はイケメン好き」という、これはこれでセクハラになりうる含意があるような気がするが、ともあれ、瀧波氏のツイートを見る限り、問題は「容姿」ではなく「品性の下劣さ」や「不快さ」を相手に感じさせるか否かということだ。受け手が不快感を持つかどうかは、発言者、タイミング、場面、人間関係などによって変わる。

 

もちろん人によっては、同じ内容でもあのイケメンよりこのオジサンに言われると不快、ということもあり得る。それは逆セクハラというよりも、本来であれば表には出さない素直な感情であり、男女問わず誰もが持っている。

セクハラは、それが表に出て受け手に「セクハラだ」と思わせたときに初めてセクハラになるので、こういう内なる感情を責め立てることはできない。

 

合コンだったら

             

繰り返しになるけれど、セクハラであるかどうかは受け手が不快かどうか、発言内容がセクシャルかどうかによって決まる。

なので、合コンの場であれば受け手が「メガネかけると可愛いの」と言われても不快でなければセクハラではないし、合コンであっても不快ならセクハラになりうる、ということだろう。

ただし、同じ論理から、この4コマ漫画の場面でそれがセクハラだと判断するのは一義的には部下の女性(デザイナーっぽい人)だ。自分はセクハラだと思う発言を他人が受けている場合、その発言にどう関与するか。これも一つの論点になりそうだけど、これは是々非々で、その場で判断するところが大きいだろう。

 

 

 

 まとめ

 

さて、ここまで瀧波氏のツイートを引用してきたが、いかがだろうか。

考えていると、書いていることが随分前から言われているような当たり前のことばかりで、むしろ呆気にとられる。すると当初持っていた4コマ漫画に対する違和感は何だろう。

 

実際、僕だけでなく多くの男性の方がこの4コマ漫画を読んだときに違和感を持ったのではないだろうか。

 

 

こんな感じで(後半は別にしても)。

 

自戒を込めて言うと、実は、自然にこの反応を示してしまうこと自体に一番の問題があると思うのだ。ハラスメントがセクシャルであれパワーのものであれ、仕方ないことでも当たり前のことでもない。それが無ければ上司と部下の関係が成立しないかのように言われること自体に疑問を持たなければ、おそらくいつまで経ってもセクハラはなくならない。

 

「女性が過敏になりすぎている」のではなく、むしろ僕たちの日常はセクハラが溢れているのかも。

 

 

じゃあどうすればいいの?ってことだけど、僕はとりあえず、攻撃的な言葉で人を傷つけないように気をつかうのと同じ様にして、セクハラにならないように発言に気をつかってみようと思う。実はそれってあんまり難しくない気がする。

 

(本文:マチドリ イラスト:カクノ)

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