03/01/2015
2015年あけましたね。
先週紹介した「ウィーン・フィル・ニューイヤーコンサート」はご覧になったでしょうか?
私は、シャンパンを開ける音を再現する打楽器の忠実さに感動しました…!
さて、新年最初ということで、
今年、2015年に生誕○○周年なメモリアルイヤーを迎える作曲家4人を
独断と偏見によって有名な曲&オススメ曲とともにご紹介します。
2013年、2014年はワーグナー、ヴェルディ、リヒャルト・シュトラウスなど、
重量感たっぷりな作曲家のメモリアルイヤーが続きましたが、
今年は古典派を中心とした作曲家のメモリアルイヤーのようです。
バッハはヘンデルとともに、バロック音楽の最後をかざる、音楽史上最大の音楽家のひとりであり、中世以来発展しつづけた多声音楽の完成者といわれる。(中略)かれのフーガは多声音楽の最高傑作であり、ヘンデルのイタリアふうに透明で簡潔な様式とくらべると、北方ふうに複雑で、対位法的で、深い精神にみちている。
-『音楽中辞典』より抜粋
ベートーヴェンがバッハを評して「和声の父」ともいったとか。
筆者が思うバッハの曲の特徴は、
の3つです。
そんなバッハが作曲したオーケストラ曲として有名なのが
「ブランデンブルク協奏曲」です。
1718〜21年に作曲されたもので、ブランデンブルク辺境伯クリスティアン・ルートヴィヒに献呈されました。
時代が古いこともあり、現在の私たちが想像する一般的な“オーケストラ”とはかなり異なった編成です。
古楽器で演奏されているので、そのビジュアルにもご注目。
そして、私の個人的なバッハのお気に入り曲がこちら。
冒頭は有名な曲ですが、全曲聴いたことはあるでしょうか…?
楽器を始めて以来、流れるような曲の印象だけで憧れていたのですが、
実際に弾いてみると、弓の動きをきれいに弾くことができる音の並びで、
そこまで計算して作っていたのか…?!とますます好きになった曲です。
作品は教会音楽、室内楽の各方面におよぶが、かれがもっとも力をそそいだのはオペラとオラトリオであった。かれの音楽はバロック的な協奏様式に基礎をおきながらもつねに肉声に密着し、ダイナミックで簡潔明快な表現によって直接うったえるものがある。
—『音楽中辞典』より抜粋
ヘンデルはバッハに似ていて、
バッハとの違いを問われるといまいち分からない…と思わなくもないのですが、
が特徴として挙げられるのではないでしょうか…。
ヘンデルで最も有名と思われるのは「メサイア」の中にある
第2部最終曲「ハレルヤ・コーラス」でしょう。
「メサイア」自体は全曲で2時間半もあり、
ヘンデル本人による自筆譜は259ページにのぼるそうです。
高校の音楽の授業ではピアノ伴奏で歌った覚えがあるのですが、
オーケストラ伴奏で聴くと、第九を思い出します。
ベートーヴェンもこれを参考にしたりしたのでしょうか…
さて、合唱曲を紹介してしまったので、
オーケストラ曲もご紹介しておきましょう。
邦題では「水上の音楽」です。
王室のテムズ川上の舟遊びの際に演奏されたとか。
当時は数百人の演奏者で行われていたという記録も残っているようです。
初期にはベートーヴェンに傾倒して古典主義的基調をもち、のちにヴァーグナーの影響をうけるなど、その様式はあらゆる大家の折衷主義のようなものだっただけに、大衆性にとみ、名演奏家として数多くの国外旅行の結果、国際的な大家として知られていた。しかしフランクやフォーレのように真にフランス的にユニークな特性をもたず、その後継者はいない。
—『音楽中辞典』より抜粋
サン・サーンスは特徴を絞れないなあと思いながら聴いていたので、
「折衷主義」という言葉に納得しました。
サン・サーンスで有名なのが「動物の謝肉祭」に収録されている「白鳥」です。
この後におすすめしたいのが、「交響曲第3番《オルガン付き》」です。
パリ音楽院に入学してからオルガンを学び、
サン・メリー聖堂、マドレーヌ聖堂とオルガン奏者を務めたサン・サーンス。
曲中の静と動のバランスが絶妙だと思います。
演奏者としては、最後に全力を出し切れる清々しい曲でした。
初期の作品の多くはフィンランドの国民叙事詩《カレワラ》に題材を求めており、その他《フィンランディア》のように民族色の濃い作品が生み出された。かれの作品の傾向は、初期の国民主義的な態度から、やや洗練された絶対音楽へと移りはしたが、あくまでフィンランドの民族性にもとづいて、これを大形式にまとめ、新しい個性的な表現にまで達している。
—『音楽中辞典』より抜粋
私自身は、普段、シベリウスの曲をあまり聴いていないのですが、
「冬になるとシベリウスを聴きたくなる」という
友人や先輩後輩による発言は何度か耳にしたことがあります。
さすがは北国の作曲家…?
民族音楽っぽい響き(リズム)が最大の特徴と言えるでしょう。
さて、シベリウスで有名な曲といえば、「フィンランディア」。
オーケストラ曲ですが、吹奏楽などでも演奏されることのある曲です。
低音メロディがかっこよいです。
もう一つ、特徴として挙げた、民族音楽っぽさたっぷりの曲をご紹介しておきましょう。
フィンランド南部のカレリア地方の自然を描写したという「カレリア組曲」です。
間奏曲、バラード、行進曲の3曲で構成されています。
途中、先ほど紹介したサン・サーンスの「交響曲第3番」に似たメロディや
日本の動揺に登場しそうなアングレのソロが登場するため、
懐かしさを感じる曲になっています。
個人的には、行進曲がどう考えても舞踏曲に聴こえます…笑
いかがでしたでしょうか。
メモリアルイヤーの作曲家は、
その年の演奏会のプログラムに組み込まれることも多いので、
今年はご紹介した作曲家達の曲を耳にする機会も多いかもしれません。
いつの時代も、人は「○周年」という節目に弱いようです…
リファレンス
Wikipedia
『音楽中辞典』音楽之友社
(ライター:シムラ アイキャッチ:Wikipedia)
今年の抱負は「月に1回は音楽以外の記事を書くこと」にしようかと考えています…
本年もどうぞよろしくお願いします♪
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