01/12/2014
読者の皆さんは洋服を買うとき、どのように欲しい商品を探しているだろうか。
僕の場合は、有名どころのセレクトショップやブランドの店舗をしらみつぶしに当たってみて、気になるものがあれば試着し、自分に似合えば購入する。
たまにZOZOTOWNをチェックして、どんな商品があるかをチェックしたりもする。
ごくごく一般的な買い方ではないだろうか。
ところで最近モッズコートが欲しかったため、お洒落な友達に「どんなのがいいかねぇ」と相談したら、「僕はこうやって探しているよ」と緻密なファッションリサーチテクニックを披露してくれた。
彼によると、洋服を買うまでの流れは大きく
①ビジョンの形成
②イメージの具体化
③流通状況のチェック
④実物の確認
の4段階にわかれるという。さらに、この行程を何度も繰り返して珠玉の一品を見つけるらしい。
こっこれが意識高い系お洒落のPDCAサイクル…!圧倒的なソリューション提供能力…!などという訳のわからないことが頭に浮かびながらも「このテクは盗むしかねぇ!」と思ったので、本記事では友人が教えてくれたお洒落テクニックを、「リュックを買う場合」を例に紹介しよう。
ZOZOTOWN トップページ
例えば、漠然と「通学用のリュック」が欲しかったとする。
このようなリサーチの初期段階では、まずファッション通販サイトのZOZOTOWNで「リュック」カテゴリの全商品を必ず確認しよう。
そこで、自分が欲しているデザインやカラー、機能性などのビジョンを明確にする。全商品を確認するのは、後に「もっといいものがあった!」と後悔しないためだ。
ある程度ビジョンが見えてきたら、ふたたび最初から全商品を確認しよう。
2回目は、実際の使い方をイメージしながら商品をチェックする。
着眼点がはっきりすることで、1回目に見落としていた商品が、実はビジョンにぴったり合致していたということもありうるのだ。
この段階で、気になった商品を数種類リストアップしておこう。
☆このとき、どこのセレクトショップが販売しているかも確認しよう。
有名セレクトショップが取り扱っていれば、今後他のセレクトショップでも取り扱いはじめそう、つまり流行りそうだな、という予想がつく。
☆もしZOZOTOWNで明確なビジョンが見えてこなかったら、普段参考にしているお洒落なひとのSNSにある写真をチェックしてみよう。好みのコーディネートにどのリュックが似合うのかを知ることで、ビジョンが明確になるかもしれない。
TSUMORI CHISATO トップページ
ビジョンの形成段階で気になった商品をより深く知るために、その商品をつくっているブランドのWebサイトをチェックしよう。
このとき確認すべきなのは、
1.どこの国のブランドか 2.どういう人を対象につくっているか
3.他にどんな商品があるか 4.価格帯はどれくらいか
の4点だ。
これらの情報から、例えばアウトドアメーカーのリュックであれば、機能性を重視したつくりになっていて壊れにくいだろうという予測が立てられる。
また、他の商品の価格が安ければ、その商品も安っぽいつくりかもしれない、とも考えられる。
このように、ZOZOTOWNでは知り得ないブランド全体の情報を把握することで、自分が抱いているその商品に対するイメージが、実際の商品にも合致しているかを確認する。
届いてみたらなんかイメージと違った…ということは、お洒落マスターには許されないのだ。
☆このとき、Webサイトで商品を販売しているかもチェックしておこう。ZOZOTOWNから在庫がなくなっても、オフィシャルストアから購入できるかもしれないからだ。
楽天市場 トップページ
ここまでの流れで、欲しい商品は大体決まってきたはず。
そこで最終段階では、購入のタイミングや、どこで購入すべきかを考えるために、商品の流通状況を通販サイト「楽天市場」で確認しよう。
もし、日本最大級の通販サイトである楽天市場で流通量が少ない商品であれば、在庫は希少なためになるべく早く購入しなければならない。
逆に流通量が多いことがわかれば、もっといい商品がないか、更にリサーチを重ねるという選択肢もあるわけだ。(流通している=他人と被りやすいということもわかる)
また、ZOZOTOWNやオフィシャルストアと楽天市場にある店舗との価格の開きを確認することで、どこの店舗で購入するべきかの判断もできる。
モッズコートを Google で画像検索してみた
さらに、商品名でGoogleの画像検索もしてみよう。
ZOZOTOWNや楽天に出店していない、こじんまりとしたセレクトショップの画像がヒットすることがある。
どの通販サイトや店舗にも在庫が見つからなかった場合の、最後の砦になるのだ。
また、そのセレクトショップは自分の趣味に合う可能性があるため、その店が取り扱っている他の商品も必ずチェックしよう。もしかしたら、検索したものよりも素敵なリュックがあるかもしれない。
さらに、画像検索では、個人ブログにアップされたコーディネート写真がヒットすることもある。
同じような服の趣味や背丈の人が商品を身につけている写真を見れば、実際に自分が使うときのイメージがつかみやすくなるだろう。
恵比寿の某古着店
このような緻密なリサーチを経てはじめて、実店舗に商品を見に行くことができる。
リュックの場合、店舗では実際に試着するだけでなく、サイズや質感はもちろん、具体的にどこになにをいれるか、どれくらいふくらむか、かさばりすぎないかなど、写真からはわからないことを丁寧に確認する。
そしてなにより、実際に商品を目の前にしたときの「トキメキ」があるか、これが一番大事だ。
自分のイメージに合えば合うほど、トキメキは大きくなる(らしい)。
店舗での確認ですべて納得がいけば、ようやく購入に踏み切れるのだ。
いかがだっただろうか。
七面倒臭いように見えるが、ウィンドウショッピングで歩きまわり偶然の出会いに懸けるよりも、よほど効率的で確実な購入方法だと思う。
ブランドのWebサイトのチェックやGoogle画像検索などは、すぐにでも取り入れたいところだ。
でも「結局トキメキ」と締めちゃうあたり、やはりお洒落マスターは言うことが違う。
「洋服ひとつにここまで時間をかけられるか!」という無粋なひとには、
「君とプライオリティが異なるようだ。僕とコンセンサスは取れないと思うから、もうコミットしないでくれ。ではミーティングがあるので失礼するよ。イノベーション!」
とあくまでスマートに返すのが、意識高い系お洒落のマナーである。
(ライター:加川)
(アイキャッチ出展:ZOZOTOWN トップページ)
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